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2005/08/27

銅版画制作ノート8

銅版画の印刷が続きます。今度はセピア色のインクを使ってみました。
インクの拭き取りが黒よりずっと難しく感じました。銅版と同じ色なので、拭き取り具合がさっぱりわかりません。
最後に寒冷紗でさっと拭くと、白いはずの所が鈍くなったように見えるので、また拭き直ししている内に今度は溝の中のインクまで拭きとってしまったような気がして、また寒冷紗でさっと拭く・・・すると、また白いはずの所が鈍くなったように見えるので拭きなおし・・・これを何回も繰り返してしまいました。

えーい、もういいや!と刷ったのがこれ(ハーネミューレ紙)
hanga5

エディション番号の説明がありました。
版画の下余白に鉛筆で全何枚分の何枚目みたいなものが書いてあるあれですね。
鉛筆書きが恒例となっているのは、鉛筆の成分がもっとも光線に対して強く、変質しない性質をもっているためだそうです。現在版画といえばエディション番号とサインがつきもの、というのが一般常識のようですが、それというのも作家の知らないところで版画が刷られてしまう危険性が生じ、実際にそれが事件にまで発展したことも多々あったから、ということだそうです。
南伸坊「モンガイカンの美術館」という本の中で、版画はおしゃれなものだというようなことが書いてあるというので読んでみると、要するにこの鉛筆書きのサインがおしゃれでかっこよすぎで恥ずかしいということらしい。
どんな作品でもこの横文字のサインがあるだけでカッコヨイ二枚目的なものとなってしまう、ということを言っているのでした。
サインと言えば、油彩でもサインはたいてい横文字で入れます。私はこれが苦手で、理由はいくつかあるのですが、ひとつはサインを入れるタイミングに悩む(完成がはっきりしない)、そしてサインを入れる場所に悩む(どこに入れても邪魔な気がする)、サインの色に悩む(どんな色にしても邪魔な気がする)です。一度などは悩んだあげく木枠の下側の細いキャンバス部分に描いてしまったものもあります。
それに比べると、版画は完成がはっきりしているし、入れる場所も入れ方まで決まっているので(ああ、なんて楽。)と思ってしまいました。

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2005/08/19

レクイエムとカンタータ

先日、「マタイ受難曲」を聴きながら絵を描いているうちに、急に思い立って宗教音楽合唱団へ見学に行き、そのまま練習へ参加することに。
最近なぜだか頭の中に、フリードリヒの絵のような誰もいない高い山の上で、「キリエ」を思いっきり歌ってみたい、というイメージが思い浮かんで離れなかったのであるが、実現しそうもないのでとりあえず歌えればいいかな、と手近な所を探してみた次第。
今練習している曲は、デュリュフレの「レクイエム」とオネゲルの「クリスマス・カンタータ」。10月の演奏会に向けての演奏曲目である。まだ10月なのにクリスマスとは、と思ったけれどレクイエムと合わせて誕生と死の組み合わせにしたのであろうか。デュリュフレのレクイエムはとてもきれいな曲で、うっとりとしてしまう。

ひとつひとつのパートはどうということもない断片化された旋律なのだが、その各パートの旋律が合わさって合唱となり、楽器が加わり、ソロが入り、児童合唱も加わり、あらゆる調べが合わさって紡ぎだされる音楽は、完成に近づくにつれ信じられないくらいの感動に満ち溢れたものとなってくる。
完成された音楽を聴くというのも素晴らしいけれど、この完成してゆく過程を自分で一度でも味わってしまうと、その喜びと感動はひとしおで、やみつきになってしまうものらしい。
若いときに某合唱団に所属していたことがあるのだが、やめて随分経つのに、歌ったことのある演目の演奏会に行ったりすると、客席にいて曲を聴きながらも歌いたいのを我慢して、じっとしていられなくなってしまったりするのである。
とは言え、普段発声練習をしているわけでもなかったので演奏会参加は遠慮して、今回は練習で歌って楽しむことが目的。
演奏会はソロの素晴らしい声も堪能したいし、楽器の演奏もあるらしいので、これはもうじっくりと客席で聴いて味わいたいということで、二重の楽しみですな。

syuon 仙台宗教音楽合唱団
 (www.geocities.jp/cgms_1967/)
 
 第29回演奏会
 2005年10月2日(日)
 仙台市青年文化センター
 開場3:30PM 開演:4:00PM


==プログラム==
M.デュリュフレ「レクイエム」
A.オネゲル「クリスマス・カンタータ」
入場料:前売 2,500円 当日 3,000円 学生 1,500円(全席自由)

それにしても、10月からまた銅版画に打ち込むことになるとすると、ひょっとして2,3ヶ月の入団期間で終わる可能性も・・。

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2005/08/15

ターン

“ Aboyan's お気楽な別館気分?Diary ” というブログ名も “東北楽天ゴールデンイーグルス” くらい長くて呼びづらいので “ Aboyan's 別館 ” みたいに省略してしまおうかと思っているきょうこのごろ。
最近テンペラをキャンバスに飛ばすのに夢中になっています。昨日、某所で買った100円の筆を指にたたきつけながらテンペラを飛ばしていたら、筆が折れました・・・。指も全治1日の打撲を負った模様。
(注)テンペラは本来飛ばすものではありません。

ところで、ずっと前に北村薫原作の「ターン」という映画をBSで見た時に、牧瀬里穂主演の主人公が銅版画を制作しているシーンがとても印象的でした。ひとりでせっせと銅版を彫り、プレス機を回し、孤独な制作を続けている所や、作品を画廊に持ち込むと、「今時珍しく手のかかるメゾチントなんかで制作している」ことに免じて置いてあげよう、と言われるシーンがずっと記憶に残っていました。
turn

「ターン」
(DVD)
監督:平山秀幸
出演:牧瀬里穂、中村勘太郎

だからという訳ではありませんが、先生に今度はメゾチントをやってみたいと言った所、頭を抱えてちょっと考え込み(ひょっとして、頭を抱えるのって先生の癖なのか?)「腱鞘炎を覚悟してください」だそうです。
電動ベルソーなんかがあるもんだと思っていたのですが、甘かった・・。カッターで縦横斜めにぎっしりと刻んでいるって、それはまぎれもなくマニエール・ノワール・・。ベルソーで削っていっても、少なくても3日は「目立ち」の作業だけにかかるようです、ああ・・・。

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2005/08/10

銅版画制作ノート7

印刷の方法のひとつに「雁皮紙」を使っての印刷があります。雁皮紙(がんぴし)とは黄色味がかった薄い紙で、台紙となる紙の間にはさんで印刷すると、白い所が黄色味がかって懐古趣味な諧調となり、インクをしっかり拾うので、きめ細かい黒が見事に出て、先生に言わせれば「20%は良く見える」仕上がりとなるそうです。(そこで皆、どよどよっ、とざわめく。)
水の中に浮かせた雁皮紙をインクをつけた銅版の上にうまく載せ、軽く水分を取ってからとろとろの糊を塗ります。布を被せてローラーで軽く糊の水分を取ってから印刷に入ります。

これが雁皮紙を使っての印刷(台紙は画用紙)
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・・・20%良くなった?のか??
全体的に暗くなっただけのような気がする・・。

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