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2005/11/27

銅版画制作ノート12

もうひとつリフトグランドと一緒に「ソフトグランド」という技法をやってみました。
これはいつものグランドに油分を加えてべたべたの固まらない溶液にし、いろいろなものを載せてそのマチエールを写し取ってから腐蝕するというものです。葉の葉脈までくっきりと出るので、これもまた版画ならではの面白さと言えます。写し取るときにプレス機にかけますが、圧力を下げてから回さないと載せたものが剥がれなくなってしまったりします。
さっそくやってみようと、先に黒ニスで腐蝕させたくない所を覆ってからソフトグランド溶液を上にかけていたら、あちこちで作業している生徒に呼ばれて忙しく駆け回っていた先生がおもむろにやってきて、「せっかく黒ニスで保護してもそれじゃぁ無駄」って・・・・・「ひょえ~!黒ニスが溶けてる~!」黒ニスってソフトグランド溶液で溶けるんですか~ ?!
先にソフトグランドでプレスしてから黒ニスを塗るのが正解だそうな・・。
気を取り直して、(正確には開き直って)「ま、いっか・・」と、そのままソフトグランドやっちゃいました。
これはアルミホイルを載せてプレスし、腐蝕させてみた効果です。

   han5

さらに、春にもらったミモザの花束をドライフラワーにしておいたのですが、繊細な葉の形が良さそうだったのでソフトグランドでやってみようと思いプレス機にかけてみたら、細かい葉が全部くっついて簡単に剥がれなくなってしまいました。ニードルとピンセットでバラバラにくっついてる葉を時間をかけて慎重に取り除き、それでも取れないのは水の勢いで流してみたり。だんだん面倒になって、残ってるのはもういいや、と腐蝕液に入れてしまいました。でも、腐蝕時間が短かったのか茎の形しか出なかったので、その苦労は水泡に帰しました。ソフトグランドの腐蝕時間は油膜が残っているので、エッチングより長くかかります。この辺の時間的な見当のつけ方も今後の課題です。

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2005/11/22

浜口陽三展&河野甲展

-カラー・メゾチントの詩人-
 浜口陽三 銅版画展hamaguti


平成17年11月18日(金)~24日(木)
最終日午後5時まで
仙台「藤崎」本館6階 美術工芸サロン

銅版画技法カラーメゾチントで世界的に高い評価を受けている版画家、浜口陽三(1909~2000)の展覧会に行ってきました。緻密で繊細な版画作品実物をはじめて見て、メゾチントの黒が線ではなく、点描で描かれていると言う話に驚愕しました。そのせいか柔らかな感じの黒の中にてんとう虫や蝶たちなどが鮮やかに浮かび上がっていて、独特の幻想世界を作り出しているようでした。
素晴らしいと自分が感じる版画作品の多くは、その中に“詩”が感じられるような気がします。

aoline

河野 甲(こうの・こう)レザーワーク展

平成17年11月18日(金)~24日(木)
最終日午後5時まで
仙台「藤崎」本館6階 美術工芸サロン

kono隣のスペースで同時に開催されていたレザーワーク展。正直“革工芸”と聞いてそんなに興味を持たなかったのですが、見たら予想外にとても惹きつけられる作品ばかりでうれしくなりました。「皮革」という素材による立体造形で旋風を巻き起こす作家、と作品集にも書いてあるとおり、それは革が貼られた彫刻のようで、とりわけ人体の骨格や筋肉がとてもきれいだと思いました。作家の河野氏がちょうど来場なさっていて、いろいろ話を聞くことができました。昆虫が好きだということで、作品も甲虫やかたつむり、蟻、さなぎなど、昆虫を題材にした作品が見事に革という素材にぴったりマッチしています。羽根の部分は豚の皮を使っているそうで、作家によって使う素材というのは本当にいろいろあるものだと感心しました。

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2005/11/21

銅版画制作ノート11

リフトグランドが面白いので調子に乗ってやりすぎました。

      han3

この魚は深く腐蝕してしまっていて、いくら磨いても直らないみたいです。
はじめて覚えた技法だと、危険を承知でどうなるかやってみよう、という気持ちが強いので失敗も多くなります。他の人も皆そんな感じのようで、ただのエッチングとは勝手が違って戸惑いがちです。白くしたい所を黒くしてしまって、さてどうしよう、と悩んでいる人もいます。「もうこれは作品として仕上げる気はないので」などと言いながら、大胆にいろいろ試している人もいます。
いろいろ経験を積んでいくうちに、ここはこうしようとか、こうすればこうなるだろうとか見当がついて失敗しなくなってくるんでしょうね。本当は練習の銅板でいろいろ試してみたいのですが、限られた時間内の講座なので残念ながら時間が足りません。ここは修正練習の機会と思って進めて行くしかなさそうです。

ところで、全体的な鉛筆書きの下書きはこれです。リフトグランドの技法を頭に入れながら描いてみました。水仙の花の下書きも用意したのですが、前と同じような感じだからということで、先生に却下されてしまいました。それで今回はこれをどうにかしていかなければなりません。なんだか大失敗しそうでハラハラドキドキ・・。

    hanga7


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2005/11/12

若月公平展 in 山形

開催日時:11月11日(金)~29日(火)
開催場所:山形市「ぎゃるり葦」

    waka

今月は行ってみたい銅版画の展覧会が2つあります。
そのひとつ「若月公平展 「双」 2001-2005」に行ってきました。
2004年に銀座で開かれた個展「双」と同じ題名の展覧会です。
副題が-山形での変容-とされています。
若月氏は腐蝕タイプの作家で、最近は具象と抽象が融合したような幻想的な感じのものとか、自然の中に精神性が感じられるといったような作風の版画が多いように思われます。
「双」とは明と暗、具象と抽象、東京と山形といった相反する2つのものを受け入れ、それを内面的なものを排除した作品として提示すると言った意味だそうです。内面的なものを排除と言ってはいますが、木の葉一枚の作品にしても叙情性が感じられ、そこに詩が書いてあるような気さえします。木肌や根の細密描写の大きな作品は、なんともいえない迫力があります。
これは去年銀座の「東和ギャラリー」に行った時に、許可をいただいて撮った個展風景です。
今回の山形の展覧会は、きれいな色のついた作品も展示されています。

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