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2006/02/11

記憶

ホームページ本館に画像を1点更新しました。
F4の小さい油彩作品です。

           lethe

去年は小さい作品しか描けなかったので、今年は少しだけ大きい作品を描いてみようと思っています。とはいえ、アトリエが狭いので30号キャンバスをイーゼルに載せてみたら、それでもう部屋いっぱいになっているので、たったの30号が凄く大きいキャンバスに見えたりします。アトリエの大きさも作品の大きさに響いてくるんですね。

hakase博士の愛した数式
小川洋子作
新潮文庫

最近「記憶」について考えさせられることが多く、人生というのは記憶そのものなのではないか、などと思ったりしています。100万部のベストセラーになった小川洋子作「博士の愛した数式」は現在映画が公開中ですが、事故で頭を損傷し、事故の時以降の記憶が80分しか持たない数学者と、彼のお世話をすることになった家政婦との交流を描いた物語です。博士と心の通った体験をいくら積み重ねても、80分経つと博士の方の記憶は全部忘れてリセットされてしまいます。周りの人が記憶を積み重ね、愛情が増していくのに対して、博士の方はいつでもその人とは初対面を繰り返し、思い出すことができないという苦悩があり、博士を愛する人達の感じる切なさが伝わってきます。
毎週土曜日にTV放映されているアニメ「BLOOD+」では、主人公のサヤは、時には何十年も続く長い眠りから覚めるとそれまでの記憶をなくしてしまっていて、いつも思い出そうと苦悩するわけですが、主人公を護るハジは逆にサヤが眠っている間もずっと眠らずにすべての記憶を持ち、サヤを待ち続ける運命です。忘れるサヤと忘れないハジ、どちらがつらいだろうかと考えると、これもまた「博士の愛した数式」と同じような切なさと痛みを感じます。

短時間の記憶しかなくなるという映画に「メメント」というのもありました。ガイ・ピアース演じる主人公が妻を殺した犯人を突き止めるために奔走する話でしたが、なぜか10分しか記憶が保てない状態になってしまった主人公が、写真やメモや身体に書き込むという方法で記録を残しながら、記憶から消失した犯人を探り当てていくという、なかなか疲れる内容だったと思います。
「メメント」は「記憶」という意味のラテン語で、「メメント・モリ」といえば「死を想え」という宗教語として知られていますが、芸術の中では死んだものを描く「静物画」が一番メメント・モリの死生観を表しやすいようです。

asita明日の記憶
荻原浩作
光文社

5月に公開される映画「明日の記憶」は、荻原浩の長編小説が原作となっていますが、「若年性アルツハイマー病」という病気が取り上げられています。渡辺謙演じる広告代理店の営業部長を務める50歳の男性が、会議の約束とか相手の名前などちょっとしたことを忘れるという現象からはじまります。
昔から忘れっぽい性格である私はこういう作品を見るとちょっとドキッとします。冷蔵庫を開けて何を取ろうとしたのか一瞬忘れるとか、電話で聞いた名前を切った途端に忘れてしまうなんていうのは日常茶飯事ですし、遺伝なのか、祖母の代から3代続いているこの忘れっぽい性格・・誰もアルツハイマーになった血縁者はいないものの、笑って済ませられるうちに秘かに脳の記憶の訓練でもしておこうかな、などと思っているきょうこの頃です。

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