GREGORIANの5thアルバム
「THE DARK SIDE」
そう、ダース・ベイダー(アナキン)が陥った世界のことではない。(いや、似たような意味なのかもしれない、よく考えると)。
エピソード3とはまったく関係のない「GREGORIAN」の5作目のCDの話なのである。
ドイツのオフィシャル・サイトで紹介されているのはこの黒いアルバムなのであるが、なぜか日本向けはロマンチックなカバーがかけられて、中のダークな感じのアルバムが見えないようになっている。

グレゴリアン
「光と闇のストーリー」(CD) (2004/12/16)
インペリアルレコード
グレゴリアンとは、「ENIGMA」(エニグマ)の創始者のひとり、フランク・ピーターソンが主宰するプロジェクトで、そのコンセプトはイギリス国教会の聖歌の達人たちが、ロック/ポップスの名曲をグレゴリオ聖歌風のスタイルで歌い、そこにダンス・ビートを加えるというもの。
前4作「マスターズ・オブ・チャント」シリーズでは、世界的に世代を超えて皆に愛され、よく聴かれている有名な曲などを多く揃えていたけれど、この5作目は違う。
「ザ・ダーク・サイド」という名前が示すとおり、心に闇をかかえ、苦悩し葛藤しながらもかすかな希望、救いといったものを求めているというような、よりスピリチュアルな内容の曲が選ばれている。
と言っても、私の知っている曲はドアーズの「ジ・エンド」と「オーメン」のテーマくらいなものであるし、語学も得意ではないので、中に入っている対訳歌詞つきのレヴューに頼るほかはない。
対訳歌詞というのもあまり直訳では意味がわからなくなるし、意訳し過ぎても深読みじゃないかと思われたりするから大変だと思う。思うけれど、よく考えるとなんだか意味がわからない、というのも多い。
英文と見比べて自分なりに意訳をはかってみたりするが、歌詞というのは暗にいろいろな意味が込められていたり、学校で習ったような文法は無視されてたりすることが多いので、語学に堪能で文学にも造詣が深く詩人である、なんていう人が訳さない限り、ぴったりくる対訳は難しい、と思う。それでも、ここに選ばれている曲は心の奥まで響いてくるようなものばかりで、なんだか切なくなるほどである。
英和辞典を片手に歌詞とにらめっこしてるうちに、一箇所だけ「4人の騎士」の対訳が違っている所を発見。
>The Hoseman held a bow
>「(一頭目の馬の)騎手はお辞儀をした」 と書いてあるのだが
いや、お辞儀してません。ここは、「騎手は弓を持っていた」で、英文そのままですぜ。
原曲が「ヨハネの黙示録」にヒントを得たということがわかっていても、実際に聖書で確認したのではないということなのだろう。
唯一「オーメン」のテーマ「AVE SATANI」だけ対訳歌詞がない。ラテン語だからなのか、悪魔的内容すぎるからなのか理由は不明。
「アヴェ・サンターニ」は覚えやすい曲なので時々無意識に口ずさんでしまうのだが、頭に666の数字が刻まれている悪魔の子が次々に惨殺を繰り返すオカルト映画「オーメン」のテーマだけあって題名からしてやばい、と感じる。知らずに悪魔を讃えているような気がして、頭で鳴り響く音楽を無理やり振り払ってみたりする。寝る時にも聴いているんだけど、変なサブリミナル効果が出たらどうしよう・・。
もともとこれを合唱している彼らも、あちこちの教会の合唱団に属している人たちなのだろうけど、ほんとにこれ合唱しちゃっていいのか!? すごく罪深そうな歌詞のような気がするのだが・・。
一番気に入っているのは「IN THE SHADOWS」という曲で、フィンランドの4人組、ラスマスの最新作からシングルカットされた曲だそうである。途中で鳴り響く鈴のようなトライアングルのような、えも言われぬ天上の響きにうっとりとしてしまう。関係ないが、頭の上の方で響く感じが、唐突に貴志 祐介の小説「天使の囀り」を思い出させる。
ところで、カトリックの教会で荘厳な感じで流れてくるグレゴリア聖歌について、持っている2枚のアルバムからちょっと書いてみようかと思ったのであるが、長くなってしまったのでまた次回。