2006/11/07

手作りお菓子と「彩雲国物語」

展示会も終わりちょっと休憩の気分で、紅玉がたくさんあったので、久しぶりにアップルパイを作ってみました。
私はシナモンが大好きなのでりんごの甘煮はラム酒とシナモンをたっぷり入れて作ります。うーん、これだけでもウマイ!
さらに賞味期限が危ない国産小麦粉がこれまたたくさんあったので、パイ生地も手作りで。

      Applep
塩を入れ忘れましたが、サクサクしてて香ばしいパイになりました。
焼きたてが最高だけど、アップルパイは冷めてもおいしい。


ところで、作りながら考えていたのは(女子中高生に大人気という読者層の幅を大きくハズれながらも)最近ハマッてしまっている「彩雲国物語」という本の中の話です。
主人公の紅秀麗という少女はお料理が上手で、よく手作り饅頭を周りの人にあげたりしています。秀麗の作るおいしい饅頭に一喜一憂する人達の話がたびたび登場します。
また、秀麗がみんなにお茶を淹れてあげるシーンも数多くあります。その秀麗が「大事な人たちに淹れてあげる」甘露茶の話がとても重要なひとつのエピソードとなっていたり、自分を待ってくれている人に「帰ったらおいしい茶州の野菜料理を作ってあげる」ことを約束して旅立ったりするのです。
お茶やお菓子やお料理を、作ったりいただいたりすることって、その人の愛情や思いやりを感じることなんだねって今更に気付かされるような、なにげなく暖かい「食」に関するお話があちこちに登場する物語なんですね。



      

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2006/05/14

グノーシス

映画化のせいもあるのか「ダ・ヴィンチ・コード」がすごいブームになってしまいましたね。
2年前に神学ミステリーとしてこの本を紹介した時は、こんな社会現象になる程のベストセラーになるとは予想しませんでした。
やっぱり「モナ・リザ」の絵を表紙に使っているところが、どうしても目を引きますよね。
ただ、これからダ・ヴィンチの絵を見る人がダン・ブラウンという一人のグノーシス主義者の解釈を何の疑問もなしにそのまま受け入れて、それが一般的な見解になって広まってしまうのではないだろうか、と思うと心配になります。
レオナルド、とっくにこの世の人じゃないので反論もできないですしね・・

○グノーシス主義・・・ ウィキペディア解説


やっぱり、「ダ・ヴィンチ・コード」を読んだなら、こちらの本も読んでみると面白いのではないでしょうか。

Davinchi1
「反」ダ・ヴィンチ・コード
―嘘にまみれたベストセラー

ホセ・アントニオ・ウリャテ ファボ 著
(単行本) 出版社 早川書房


Davinchi2
ダ・ヴィンチ・コード その真実性を問う
ハンクハネグラフ、ポールLマイアー 著
(新書) 出版社 いのちのことば社






 Line01


このブームに乗ってか、単なる偶然か 「ユダの福音書を追う」という記事が「ナショナル・ジオグラフィック」2006年5月号に載りました。
これもまた、1945年にエジプトで発見されたナグ・ハマディと呼ばれる文書やイスラエルで発見された「死海文書」と同じく、一連のグノーシス派の文書の中のひとつだということですが、今まで裏切り者とされてきたイスカリオテのユダに対する見解が変わってくるのかどうか、興味のあるところです。


●面白かった神学ミステリーをもうひとつ
 Kumuran
クムラン
(角川文庫) エリエット アベカシス 著

「死海文書」に纏わる連続殺人事件の謎というフィクションです。
著者は「神学、言語学、記号論、神秘主義に精通した若き哲学教授」という紹介があるだけに、死海文書発見の経緯であるとか、ユダヤ教に関する事柄や考え方がとてもリアルで、考古学的な知識がなくてもよくわかるような書き方がされており、専門的な描写も逆に面白く感じられて目を開かされるものがあります。
どちらかというと、信仰を持つ人(ユダヤ教敬虔主義者の主人公)の内面的な葛藤のほうに焦点があてられていて、まわりの不可知論者やキリスト教徒など違った立場の人達の思惑が錯綜し、こういう世界に対して少し視野が広がるような思いがあります。
私は単行本を読んだのですが、文庫本が出ました。

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2006/04/30

ヒエログリフ

古代エジプトというとピラミッドやスフィンクスと並んで、興味をそそるのは古代文字です。
文字の世界も調べ出すと面白くて、意外な所で不思議な文字に出会ったりします。
インドの梵字は赤江曝の本の中で不可思議なミステリーを放っていましたし、中国の古代文字はザオ・ウーキーの絵の中で踊っていました。ピラミッドやエジプトの遺跡には、ヒエログリフがびっしりと壁や柱を飾っていたりするのを見るにつけ、また私の思考がどこかへ飛んでいきます。
本や絵や音楽や遺跡や古代文字など、ありとあらゆるものがいろいろな刺激を与えてくれ、精神的な糧となってくれるのでしょうね。

ところで本を読むときに、作家の国や信仰するもの、また時代背景を知ることは、その本の内容の理解力をさらに強める基本となるところですが、本の中に出てくる作家の頭の中にある哲学的なものなどは、本の中のところどころに散りばめられた断片的な言葉から推し量るしかありません。
中学の頃ヘッセを夢中で読み漁った時期があったのですが、小説「デミアン」の中で「アブラクサス」なる言葉に悩み、いろいろ調べたことがありました。今のようにインターネットが普及していなかった時代だったので、思うように調べられず、結局わからずじまいでずっと忘れずにひきずっていた覚えがあります。
今ではインターネットで検索するとなんでも調べることができるので、でかい百科事典などなくても便利な世の中になったものだと思います。

さて、エジプト神話や古代神達、またヒエログリフなどについてもっと知る事ができればさらに面白い発見があるかもしれない、と思い、いろいろその手の本を買ってみたら・・・。
エジプトに関する神話や文字や旅行に関する話が傑作なイラストつきでわかりやすく解説されている本、発見!!

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 古代エジプトうんちく図鑑
 芝崎みゆき 著


これ、最高!
読んでる最中に何度吹き出したことか・・。


エジプトという風土や物の考え方やこの国が持つ特質みたいなものまで、作者の体験を通して手に取るようにわかります。作者本人直筆のイラストが傑作です。


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2006/03/04

アナスタシア

plus


BLOOD+ (DVD)
監督:藤咲淳一
原作:Production I.G・Aniplex
企画協力:押井守
音楽:Mark Mancina
声の出演:喜多村英梨、矢島晶子
大塚芳忠 ほか

毎週土曜日にTV放映されているアニメ「BLOOD+」。戦争兵器にするなどの目的で改造された人間である吸血モンスター「翼手」を狩るサヤとハジの話ですが、沖縄からはじまってベトナムに話題は飛び、最近はロシアが舞台となっています。場所もエカテリンブルグといえば、ロシア革命により皇帝一家が暗殺された所だな、と思っていたら、17話でなんとラスプーチンとアナスタシアの話が出てきたのでびっくり。遡ればロシア革命の時代にもサヤ達は翼手と戦っていたらしく、あの怪僧ラスプーチンは翼手ってことになっているらしい。(さもありなん・・・)。しかも、この話ではアナスタシアまでなんだかやばいモノになっている気が・・

ところで、ロマノフ王朝の最後の皇帝ニコライ2世の第4皇女アナスタシアについてはボルシェビキの手から逃れて生き残ったという説があって、あちこちで「私が生き残りのアナスタシア」と名乗る偽者が出てきたり、本や映画にもなって夢や想像を掻き立てられたりしたものでしたが、私が最近「エカテリンブルグ」とか「アナスタシア」という言葉にやけに敏感になっている理由は、島田荘司の「ロシア幽霊軍艦事件」という小説を読んだからなのです。

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ロシア幽霊軍艦事件
島田荘司(著)
角川文庫

この中の主人公アナ・アンダーソンについては、本物のアナスタシアであると信じて庇護する人達も少なくなかったという話ですが、聞けば何年か前にDNA鑑定で既に決着がついているらしいですね。
「ロシア幽霊軍艦事件」の中では御手洗がほとんど本物、という推理を広げていたのでうっかりその気になっていた私でした。
最近の島田荘司氏の推理小説は、御手洗が脳科学の研究者というだけあって、「魔神の遊戯」や「ネジ式ザゼツキー」などもそうでしたが、記憶喪失、側頭葉てんかんやサヴァン症候群などという症状をもつ人物が物語の中の重要な部分に関わってきたりして、一味違った読み応えがあります。アナ・アンダーソンについても脳科学の見地から彼女の見せた不可解な言動を推理してみせています。
社会派サスペンスというのか、現代社会が抱える闇みたいなものが根底に取り上げてある島田作品は後々まで考えさせられるものも多く、単なる推理小説では片付けられない後味が残り、そこが島田荘司作品に魅せられてヤミツキになってしまった理由でもあります。

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2006/02/11

記憶

ホームページ本館に画像を1点更新しました。
F4の小さい油彩作品です。

           lethe

去年は小さい作品しか描けなかったので、今年は少しだけ大きい作品を描いてみようと思っています。とはいえ、アトリエが狭いので30号キャンバスをイーゼルに載せてみたら、それでもう部屋いっぱいになっているので、たったの30号が凄く大きいキャンバスに見えたりします。アトリエの大きさも作品の大きさに響いてくるんですね。

hakase博士の愛した数式
小川洋子作
新潮文庫

最近「記憶」について考えさせられることが多く、人生というのは記憶そのものなのではないか、などと思ったりしています。100万部のベストセラーになった小川洋子作「博士の愛した数式」は現在映画が公開中ですが、事故で頭を損傷し、事故の時以降の記憶が80分しか持たない数学者と、彼のお世話をすることになった家政婦との交流を描いた物語です。博士と心の通った体験をいくら積み重ねても、80分経つと博士の方の記憶は全部忘れてリセットされてしまいます。周りの人が記憶を積み重ね、愛情が増していくのに対して、博士の方はいつでもその人とは初対面を繰り返し、思い出すことができないという苦悩があり、博士を愛する人達の感じる切なさが伝わってきます。
毎週土曜日にTV放映されているアニメ「BLOOD+」では、主人公のサヤは、時には何十年も続く長い眠りから覚めるとそれまでの記憶をなくしてしまっていて、いつも思い出そうと苦悩するわけですが、主人公を護るハジは逆にサヤが眠っている間もずっと眠らずにすべての記憶を持ち、サヤを待ち続ける運命です。忘れるサヤと忘れないハジ、どちらがつらいだろうかと考えると、これもまた「博士の愛した数式」と同じような切なさと痛みを感じます。

短時間の記憶しかなくなるという映画に「メメント」というのもありました。ガイ・ピアース演じる主人公が妻を殺した犯人を突き止めるために奔走する話でしたが、なぜか10分しか記憶が保てない状態になってしまった主人公が、写真やメモや身体に書き込むという方法で記録を残しながら、記憶から消失した犯人を探り当てていくという、なかなか疲れる内容だったと思います。
「メメント」は「記憶」という意味のラテン語で、「メメント・モリ」といえば「死を想え」という宗教語として知られていますが、芸術の中では死んだものを描く「静物画」が一番メメント・モリの死生観を表しやすいようです。

asita明日の記憶
荻原浩作
光文社

5月に公開される映画「明日の記憶」は、荻原浩の長編小説が原作となっていますが、「若年性アルツハイマー病」という病気が取り上げられています。渡辺謙演じる広告代理店の営業部長を務める50歳の男性が、会議の約束とか相手の名前などちょっとしたことを忘れるという現象からはじまります。
昔から忘れっぽい性格である私はこういう作品を見るとちょっとドキッとします。冷蔵庫を開けて何を取ろうとしたのか一瞬忘れるとか、電話で聞いた名前を切った途端に忘れてしまうなんていうのは日常茶飯事ですし、遺伝なのか、祖母の代から3代続いているこの忘れっぽい性格・・誰もアルツハイマーになった血縁者はいないものの、笑って済ませられるうちに秘かに脳の記憶の訓練でもしておこうかな、などと思っているきょうこの頃です。

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2006/01/05

里見八犬伝

時代劇好きな私にとって「新春時代劇」は楽しみのひとつだったりするのですが、今年は戌年にちなんで(?)滝沢馬琴の「里見八犬伝」でしたね。
前に、そう「魔界転生」がリメイクされた時に、昔と違ってCGやらなんやら使える今、「南総里見八犬伝」をリメイクしてほしいものだと思っていたことがあったので、とても期待して見てしまいました。2日3日と二日間に渡って前編後編の5時間ドラマでしたが、原作とは違う所があるものの、まあ、5時間だからしょうがない。犬塚信乃も義経とかぶったけれども まあ、しょうがない。犬坂毛野も女の人がやってたけれども まあ、しょうがない・・。(は?胸がない?)そんなこんなで見ているうちに10年位前に読んだ山田風太郎原作の「忍法八犬伝」を思い出してしまいました。
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時はこの時代の150年後、つまりここで活躍した八犬士達の孫の時代。里見家の家宝である「忠孝悌仁義礼智信」の八顆の珠が、里見家取り潰しを狙う本多正信の策謀によって「淫戯乱盗狂惑悦弄」の贋珠にすり替えられてしまう所から始まります。盗まれるんじゃなくて、このふざけた珠にすり替えられるくだりも笑えるけど、好き放題に生きている子孫の新八犬士たちのやる気の無さがまた笑える。結局お家のためなんかじゃなく、憧れの村雨姫という美女のために珠の奪還を決意する若者たち。
服部半蔵指揮下の女忍者たちとの戦いは、他の忍法帖シリーズと同じく(山田風太郎らしい)とても人間業とは思えないような忍法合戦となっているのですが、とにかく八犬伝の面白さがたっぷり盛り込まれた現代娯楽時代劇小説です。

私が読んだのは、1994年頃に講談社から発行された講談社ノベルズの一連の山田風太郎の忍法帖シリーズです。最近映画化された「甲賀忍法帖」なども含まれています。講談社文庫からも天野義孝などの表紙でまた新しく発行されているようです。
ところで、たまに聞かれたりすることがあるのですが、「南総里見八犬伝」に登場した小悪党の網乾左母二郎(あぼし さもじろう)って、先祖ですか?って、いやいやいや・・字も違いますし、コレ小説ですから。

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2004/11/15

「夜想」 -特集DOLL-

     yaso1.jpg  StudioParabolica 発行

Yaso-夜想」の復刊第2号が発売されている。今回のテーマは「ドール」。表紙は「恋月姫」DOLL。この本に載せるために制作されたという美人形である。「死の淵を人形に見る」と題されたインタヴューも面白い。他には土井典、四谷シモンからヤン・シュヴァンクマイエルまで基本的に「作家の人形写真」と「インタヴュー記事」という構成で成り立っている。作家の心に抱いている思いなどは普段なかなか知ることができないものであるが、「人形を作る側」の感覚や心理などがインタヴューを通して少し見えてくると、「人形を見る側」の感情とはまた別の感覚であることに気づくことも多い。
「夜想」は随分前にペヨトル工房という所から発行されていたけっこうマニアックな本であった。アニメから遺体の話題までそれこそいろんなジャンルの芸術文化の話が載っていて中身も濃いものであった。永らく沈黙を守っていた「夜想」の復刊第1号のテーマは「ゴス-Gothic」。おりしもゴシックロリータという言葉がニュースでさかんに流れた時期であったので、時代の先取り感覚は相変わらずのような気がしたものである。季刊のペース?で発行されるようであるが、今後の展開がとても楽しみである。

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2004/10/01

キリスト題材ミステリー小説

へたをすれば“とんでも本”になってしまう「キリストを題材にしたミステリー」ですが、面白かった本を2冊紹介。

     jesus.jpg

「イエスの遺伝子」◆ マイクル・コーディ著
天才遺伝子学者トム・カーターは人間の設計図ともいえる遺伝子の内容をすべて解読する画期的装置を発明。奇跡の治癒能力を持つイエス・キリストの遺伝子「ナザレ遺伝子」の謎を解明して脳腫瘍で余命1年の娘の命を助けようとする。一方、彼の遺伝子研究を神への冒瀆と考える組織による暗殺計画が進み、執拗につけ狙う殺し屋によって妻が犠牲になってしまう。やがてナザレ遺伝子の適合者が見つかるのだが・・。
1998年3月・徳間書店発行の単行本には映画化されるかもという話が書いてあるのですが、いまだに映画の話は聞きません。生前のキリストの遺物からたちどころにキリストのホログラムがコンピュータで出てくる場面があって、当時密かに期待していたのですが・・。今だったら「エピソード1」の3D通信映像のような装置で「パッション」のイエスみたいな人物像が浮かび上がったりするのかな。


    vinti.jpg

「ダ・ヴィンチ・コード」◆ ダン・ブラウン著
ルーブル美術館館長ソニエールが館内で死体となって発見された。死体はダ・ヴィンチの有名な素描「ウィトル・ウィウス的人体図」を模した形で横たわっており、さらに周りには複雑怪奇なダイイングメッセージが残されていた。彼の孫であり、暗号解読捜査官であるソフィーはそれが自分宛に残されたメッセージであると気付く。ソニエールは何を隠し、何を伝えようとしたのか。「モナ・リザ」「岩窟の聖母」「最後の晩餐」ダ・ヴィンチの有名な絵の中に隠された驚愕の真実とは・・。
2004年5月・角川書店発行の上下2巻になる単行本です。キリストの聖杯伝説の異説・新説を巧みに取り入れ、スピーディーに展開するストーリィです。ただ「最後の晩餐」をフレスコ画と言っていたり(あれはテンペラで描かれたものでそれで剥落がはげしかったんですね)、内容的にもちょっと「それはどうよ?」と思えるような所もあったりします。まぁ、暗号やらパズルやらてんこもりでミステリ・エンターテインメントとして読めばなかなか楽しく読める本です。
最近この本の中の内容に関して「フィクションとはいえ、受け入れがたい」というカトリック界の苦情によりレバノンでは発禁処分となっているそうですが、「やっぱりなぁ・・」と思いました。

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2004/09/02

言葉と書

  itumo.jpg  touyou.jpg

左:「しあわせはいつも」 相田みつを著 文化出版局
右:「東洋的な見方」 鈴木大拙著 岩波文庫

誰しも少なからず「座右の銘」みたいなものは持っていると思います。それで私は何を思い出すかというと「正法眼蔵」なのです。去年だったか山形美術館に行った時「相田みつを展」が開かれていて東北では初めての大々的な企画だった訳ですが、ラッキーなことにちょうど息子である相田一人氏の講演を聞くことができたのです。その時に父である相田みつを氏が座右の銘ともいうべき本をいつでも手元に置いていた、というような話をされていて、それが道元の「正法眼蔵」だったのです。
かくなる私も随分前にテレビで相田みつをの番組を見て感動し、以来自分の部屋には「しあわせはいつも」という本やら、「心の暦」やら「日めくり」といったものが狭い部屋にページを広げて置いてあります。その時の状態によって違うページが開かれている、といった具合です。ちなみに今は「けれど けれどで なんにもしない」という日めくりのページと「やらなかった やれなかった どっちかな」という暦のページが開かれています。「考えてばかりいると日がくれちゃうよ」というページも開かれる頻度が高いです。
道元といえば日本曹洞宗の開祖ですが、「禅」の考え方というのは私には難しく「正法眼蔵」どころか、わりに読みやすいと書いてあった鈴木大拙の「東洋的な見方」という本でさえ禅問答のような話は理解できない所が多々あります。相田みつをの言葉と書が心を打つのは“誰にでもわかる言葉と書”で「禅」の心を伝えてくれるからに違いありません。

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2004/08/15

球体関節人形の魅力

  alice.jpg  01.jpg
左:沢渡 朔写真集「少女アリス」 河出書房新社
右:天野可淡「KATAN DOLL fantasm」 トレヴィル

私がはじめて手に入れた写真集は沢渡 朔「少女アリス」でした。写真集のどことなく不思議な童話的でもある背景に、レースを纏った少女といった幻想的雰囲気に惹かれたのです。次に思わず買ってしまった写真集が天野可淡「KATAN DOLL」です。こちらはどこか悪魔的な、怖いような存在感がある少女たちの人形です。
ハンス・ベルメールの人形に魅せられ、影響を受けた人たちは多いと思います。今いろんな球体関節人形作家がどんどん出てきていますが、その人形を芸術と捉えるかそれ以外と捉えるかの境目は微妙なところです。人によっても違うかもしれません。同じようなエロティックな少女人形を作っていてもどこか猥雑さが感じられるとそれは芸術とは程遠くなってしまいます。
可淡の写真集を発表した人形作家である吉田 良氏の、「形があって形が崩れるまで、そこに生きているように見えながら死んでいる」という人形の言い表し方は、とても印象的で忘れられないものです。
映画「イノセンス」では、やはりベルメールに影響を受けたという監督が「人間は何故自分の似姿を造りたがるのか」を問いかけています。人形はどこまで進化していくのでしょうか。

お気に入りのリンク
pyg.jpg DOLL SPACE PYGMALION

hizukibana2.jpg 陽月DOLL

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